金融リテラシーを高める重要性

独身の老後に必要な資金の目安はいくら?1000万円で十分なのかをデータを用いて算出する。

独身の老後に必要な資金の目安はいくら?1000万円で十分なのかをデータを用いて算出する。

金融庁による『老後2000万円報告書』を受けて老後の生活資金に不安を抱いている方おいらっしゃると覆います。

『老後2000万円報告書』は夫婦二人世帯の必要な金額なので、独身の場合は半分の1000万円程度は必要かと思われた方もいらっしゃるでしょう。

 

まず前回夫婦で必要な生活費について統計データを用いて算出しました。

 

夫婦の老後の資金は平均いくら必要?不足金額は5000万円〜1億円程度となる理由をデータを用いて計算。

 

夫婦の場合厚生年金世帯で5000万円以上、国民年金世帯で1億円以上が必要であることがわかりました。

本日は同様に独身世帯の場合、いくら老後資金が必要なのかという点についてお伝えしていきたいと思います。

 

総務省データから老後に必要な金額は約1500万円

老後2000万円報告書』では65歳から95歳までの間の30年間に必要な金額を算定しています。

何故95歳であるかというと現在60歳時点の方が95歳まで生きる方が25%程度存在するという金融庁のデータに基づいています。

95歳まで生存する可能性は25%

高齢夫婦無職世帯の月間の不足金額は5.5万円であるため、年間66万円となり30年間で約2000万円という算出が根拠となっています。

では高齢単身世帯がいくらの費用が必要なのかという点について見ていきましょう。

以下は金融庁が高齢夫婦世帯の算出に用いたデータの高齢単身世帯分のデータとなります。

 

高齢単身無職世帯の家計収支

上記から一ヶ月の不足分は40,715円となっているので、年間48万円の不足という計算になります。

つまり95歳まで生存すると仮定すると30年間を掛け合わせて1440万円と1500万円近い老後資金が必要という計算となります。

単純に2000万円の半分というわけではありませんね。

1人より2人の方が食費や住居費、電気ガス水道代などのボリュームメリットがでるので当然の結果ともいえるでしょう。

 

総務省データの不備に切り込む

夫婦の老後資金算出の記事でも述べたのですが、総務省データはあくまで全国の平均であるため一律に老後に必要な資金として考えるのは危険です。

収入面は人それぞれ。特に厚生年金受給者と国民年金受給者の差は大きい

まず収入面に目を向けて頂きたいのですが、社会保障給付は107,171円となっています。

高齢単身無職世帯の家計収支

社会保障給付費というのは主に年金のことを指すのですが、自営業をされていた第一号被保険者とサラリーマンをされていた第二号被保険者では得られる金額が大きくことなります。

自営業をされていた第一号被保険者の方は国民年金の受給となるのですが、国民年金の平均受給額は55,615円となります。

 

平均的な国民年金受給額

 

総務省のデータの約半分の金額しか年金を受け取ることができないのです。

一方、サラリーマンをされていた方は平均的に厚生年金を147,051円を受給できることとなっています。

 

平均的な厚生年金の金額

また厚生年金といっても企業によって受給できる金額は大きく異なりますので、自分の勤務している会社に勤めればいくら受給できるかを確認しておきましょう。

ちなみに厚生年金に金額算出は非常に簡単です。

厚生年金加入期間のボーナス含めた平均年収を①とすると、年間の厚生年金受給額は以下となります。

年間厚生年金受給額 = ① ÷ 12 × 5481 ÷ 1000 × 480

例えば①が400万円であった場合は年間87万6959円つまり月間に直すと7万3000円ということになります。

住居費が異常に安く見積もられている

もう一度先ほどの総務省のデータをご覧いただきたいのですが、住居費は消費支出142,198円のうち10.2%つまり14,504円ということになります。

 

高齢単身無職世帯の家計収支

 

確かに私の出身の三重県などでは一人暮らしで1Kであれば可能な水準ですが、東京に住まれている方からすると考えられない水準かと思います。

14,504円という数字は持ち家の方や地方の方も平均した数値となっています。

仮に老後東京でマンション暮らしをする予定の方は更に多くの費用を見積もっておかなければいけません。

 

以下はSUUMOでみた東京都の家賃相場です。

 

東京路の1LDKの相場

 

単身高齢者世帯が住む1Kを考えると、あまりばらつきがなく8万円台後半から9万円台後半という水準になります。

総務省が示した14,504円とは大きな乖離がありますね。

 

各ケース毎に老後に必要な資金を算出する

それでは先ほど指摘した点も考慮にいれて単身無職世帯の必要な資金を算出していきたいと思います。

厚生年金受給者で都内賃貸の場合は2500万円程度が必要

まずは比較的高い受給額が期待できる厚生年金受給者で都内賃貸世帯の場合を考えます。

先ほどのデータを元に平均的な収入は147,051円となります。

一方支出に関しては家賃を9万円とすると、217,694円となります。

 

つまり不足額は月間70,643円という計算式になります。

年間ベースに直すと84万円となりますので95歳までの30年間と考えると2520万円という結果になります。

 

厚生年金受給者で持ち家又は賃貸約2万円円以下の方は現状老後資金は必要なし

逆に厚生年金世帯で持ち家又は家賃が一定額以下の方は老後資金は必要ありません。

総務省算定の支出総額は142,198円で家賃14,504円を除くと127,694円となります。

一方、厚生年金の平均的な収入は147,051円となります。

 

つまり持ち家で家賃が発生しない方や、見込み収入と家賃以外の支出の差額19,357円未満の家賃であれば老後資金は必要ないという結果になります。

しかし、その場合もインフレによって生活費が上昇するケースを視野にいれてある程度の資産を蓄えておいた方が無難でしょう。

 

政府はマクロ経済スライドという、インフレ率の上昇に対して年金支給額の上昇を引き下げる政策を実施しています。

インフレが発生してしまった場合は支出が逆転することが十分考えられるのです。

 

国民年金受給者で都内賃貸の場合は6000万円近くが必要

一方、年金受給額が少ない国民年金受給者の場合を考えてみましょう。

国民年金の平均的な収入は55,615円となります。

一方支出に関しては家賃を9万円とすると、217,694円となります。

 

つまり不足額は月間162,079円という計算式になります。

年間ベースに直すと194万円となりますので95歳までの30年間と考えると5834万円という結果になります。

国民年金の方で東京で家賃を支払う方は相当大きな金額が必要となってきてしまうのです。

 

国民年金受給者で持ち家の場合は3500万円近くが必要

逆に国民年金受給者で持ち家の場合は先ほどの月間9万円、年間108万円、30年間で3240万円が必要ではなくなります。

当然固定資産税は発生しますが、仮に月2万円と仮定しても30年間で720万円となり、差し引き2520万円の支出削減となります。

すると老後の必要な金額は先ほどの5834万円 – 2520万円 = 3364万円という結果になります。

 

国民年金の方はたとえ持ち家であったとしても持ち出しが必要となってきてしまうのです。

まとめー老後の一人暮らしに必要なお金は結局いくら?ー

単身者の場合老後に必要な資金はケースによって様々となります。

  • 厚生年金受給者で都内賃貸:老後資金は2500万円必要
  • 厚生年金受給者で持ち家or地方在住:老後資金はインフレ発生しない場合必要なし
  • 国民年年金受給者で都内賃貸:老後資金は6000万円近く必要
  • 国民年年金受給者で持ち家or地方在住:老後資金は3500万円近く必要

 

たとえ単身世帯であったとしても多くの老後資金を見込んでおく必要があることが分かりました。

 

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